【9633】東京テアトル:映画鑑賞優待『その手に触れるまで』

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「元のお前に戻ってよ」と泣く母…胸が痛くなるシーン
ヒューマントラストシネマ有楽町で『その手に触れるまで』を観てきました。
 
カンヌ監督賞にも輝いたダルデンヌ兄弟の作品。原題は『Le Jeune Ahmed』(若きアメッド)
 
ベルギーに暮らす13歳の少年アメッドが主人公の物語。
ごく普通の少年が、尊敬するイマームイスラム指導者)に感化されて過激な思想にのめり込み、幼い頃からお世話になっている女性教師を殺さねばならないと思い込む姿が描かれている。
 
ダルデンヌ兄弟の作品特有の空気感、ドキュメンタリーのような、ありのままの空間がそこにはあって、まるで登場人物には見えないカメラのフィルターを通して、覗き見しているような気分になる。
そして、終始、胸がざわざわしている感じ。
 
なぜかというと、アメッドがいつ、先生の殺害を遂行してしまうのか、その手に持つナイフからいつ血が流れるのか、ひやひやしながら、この若い少年の、その複雑で不透明で、にもかかわらず時折表出する感情の発露を、またその推移をただひたすら見守るしかなかったから。
 
アメッドは、聡明で勉強ができて、スポーツも万能で、コミュニケーション能力が特別低いわけでもなく、同年代の少年と同じように、1か月前はゲームをしている普通の少年だったのに。
 
ずっーと、「こんなに周りから愛されているのにどうして?なぜ、そんな恐ろしいことを??」という、少年への届かない想いを抱えることになりました。最後まで。
そして、最後の最後まで、アメッドの心境の変化にはついていけず、置いてけぼりになり、呆然とするのみ…
 
表題から察するに…というところはありますが、そこについても、細かな説明的描写がないのがダルデンヌ兄弟の作品らしい、「こう解釈するべき」といった押し付けといったものがなく、あくまで鑑賞者に委ねられている…といった気がします。
 
皆さんは、どういう風にその後のストーリーを想像しましたか。
 

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MERCER BRUNCH ブリオッシュフレンチトーストブランチ
胸のもやもやをクールダウンするため、銀座で遅めのブランチ。

ほわほわでやわらかくてあっという間に口の中で溶けてしまう絶品フレンチトースト。

「サーモンのタルタルとアボカドとポーチドエッグ ディルソース」のブリオッシュフレンチトーストブランチをチョイス。

NYスタイルとのことですが、サーモンにペッパーが効いていて、ワインと一緒に頂きたい一皿でした。ごちそう様です。